海外バーチャルツアーの実施報告 ~コロナ禍での教育への挑戦~
リカレント教育チームです。当チームは研修事業を柱にしており、その中の一つ早稲田大学ビジネススクール様より運営を受託しているWBS-ネクスト・リーダー・プログラム 「リーダーシップ論」にて、コロナ禍での新たな模索とともに取り組んだ海外バーチャルツアーについてご紹介します。
WBS-ネクスト・リーダー・プログラム 「リーダーシップ論」は早稲田大学ビジネススクールで2週間に一度開催される正規授業で、毎回変わる各界のリーダーの話を聞くことができる特別な授業です。また、受講生はリーディングカンパニーから派遣されるビジネスパーソンと、選抜されたビジネススクールの学生で構成されており、受講生同士の議論やネットワーク構築も魅力の1つです。例年、本プログラムの1つとして、東南アジアの国などにビジネス視察に行っていますが、コロナ禍により2020年は実施ができませんでした。こうした状況下でも、できる限りの教育効果の維持を考え、海外バーチャルツアーを実施いたしました。
エジプトをオンラインで体験する
本プログラムでの初めての取り組みの中、海外でオンライン旅行サービスを展開する旅行会社様、日本企業の海外ビジネスを支援する団体様、アラブ料理専門レストランなどの協力も得ながら2日間のプログラムを組み立てました。
1日目の駐日エジプト大使のご挨拶を皮切りに、現地陶器メーカーの工場視察、現地に進出している日用品メーカーや、現地スタートアップ企業の代表者との懇談、更に、文化体験として、大エジプト博物館の見学や、現地ガイドによるピラミッド周辺のラクダでの周遊などを行いました。視察の方法としては、日本語が話せる現地のガイドに携帯電話を持たせて、そのカメラを通してのライブ中継や、オンライン会議システムを用いた関係者とのディスカッションを行いました。今回、リアルとオンラインの融合を重要視しており、その1つとして、参加者の各自宅にアラブ料理を宅配し、その料理をプログラム中に参加者に味わって頂きました。
大エジプト博物館訪問
現地スタッフによるピラミッド周辺の散策
アラブレストランから宅配した料理
2日目は、在エジプト商工会議所に加盟している企業様等にお集まりいただき、現地でビジネスを進める上での苦労などについての座談会から開始しました。その後、現地の人が日々行っている市場を訪ね、生きた動物が売られている様子や、日本では見ない野菜や果物などを見ました。また、現地の市民の家を見せて頂き、日々の生活を垣間見ました。子供がテレビゲームばかりして・・という悩みはどこの国でも同じだなと面白く感じました。日系自動車メーカーの工場の視察や、たばこメーカー社員との意見交換をし、最後に、旅行者用の市場でショッピングを行いました。現地ガイドのカメラを通じて、各参加者が欲しいものを選んで、店側と価格交渉します。ガーリー!(高いよ、もっとまけて!)と言うと、値段があっという間に半分くらいになるのには笑いました。皆さん、置物やTシャツなどを思い思いに購入し、日本に郵送して受け取って頂きました。画面の向こうのモノが、数週間後に実際に自分の手元に届くというリアル感がありました。
現地市場
自動車メーカー訪問
受講者の声
今回、20名ほどの受講生の方が参加しました。頂いたコメントとしては、「エジプトと日本の関係が、想像以上に深いことを知った」「海外展開を前提にした立地戦略や、事業機会を探るきっかけになった」「日本企業で働く、現地の方の会社へのロイヤリティが高く、また離職率が低いということが分かり、US中心のビジネス経験を積んでいる自分には驚きだった」「子育ての苦労はどこの国でも同じだと思った」などなど、刺激を受けたというコメントを多く頂きました。
アレンジをした立場として最も印象に残り、また嬉しかったのは「普段テレビでみるエジプトの映像は編集されたものであるが、今回のバーチャルツアーの映像は、町や人の音が入った現実のものであり、リアリティや臨場感を感じた。バーチャルでローカルを感じる期待以上の貴重な体験でした。」というコメントでした。
結論としては、バーチャルであっても、工夫と努力でリアル以上の感動を提供できることが分かりました。弊社も多くのことを学ばせて頂きましたので、この経験を次の教育事業に活かして行きたいと考えています。