早稲田大学アカデミックソリューション

商品・サービスサイト

ブログblog

ブログ

ラオスでSDGsに貢献

2018/03/22

大学業務支援部の上野です。当社では早稲田大学と連携し、さまざまな研究プロジェクトを推進しています。
みなさんはSDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
最近ニュースなどでもたまに出てくるキーワードですが、「聞いたことはあるけど意味はよく知らない」という方も多いのではと思います。
SDGsは”Sustainable Development Goals”の略語で、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、
地球上の誰一人として取り残さない-No one will be left behind-ことを宣言しました。

SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、途上国の貧困問題や環境汚染問題などに限らず、先進国でも女性の社会進出や、ジェンダー問題など幅広い取り組みを対象とします。

 

今回はラオスでの森林破壊をテーマとする早稲田大学のプロジェクトを紹介したいと思います。

日本とラオス政府は、二国間合意に基づくJCM-REDD+(Joint Crediting Mechanism Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation in Developing Countries)を推進しており、早稲田大学ではラオス北部のホアイキン村を中心とした6村をプロジェクトサイトとして2014年度よりREDD+事業を進めています。

REDD+は、先進国のプロジェクトにより途上国での森林減少・劣化抑制を促進し、二酸化炭素(以下CO2)排出量削減を実現する取組みで、これにより途上国ではCO2が削減され、先進国は成果に応じて排出権クレジットを獲得することができる仕組みです。JCMやREDD+の仕組みは多少複雑なので、別の機会に詳しく説明したいと思いますが、要はCO2排出削減事業の1つですね。

ラオスは周囲をベトナム・タイ・ミャンマー・カンボジア・中国に囲まれる内陸国で、日本の本州ほどの面積に675万人の人々が生活を営んでいます。1940年代には国土の70%であった森林率が、2002年には41.5%まで低下し、特にラオス北部山岳地域では主な生計を焼畑に依存している貧困住民が多く、これが森林減少の原因の一つとなっています。

プロジェクトサイトであるホアイキン村は、ラオス第2の都市であるルアンプラバンから車で約3時間です。舗装された快適な道路の途中では、中国による新幹線の敷設工事が進み、今後の発展を予感させる風景が続きます。しかし村までの道程を2時間ほどいったところで舗装道路は終わり、そこからは未舗装の道を揺られ続けること1時間、ようやく村にたどり着きました。

〈メコン川が流れるルアンプラバンの街〉

〈メコン川が流れるルアンプラバンの街〉

熱帯地域に位置するラオスですが、標高1000mほどの北部山岳地帯の村では2月とはいえ昼間は30℃、夜は5℃程度まで気温が変動します。
私たちが訪れた時は比較的夜が温かく、見ることができませんでしたが、冷えた次の日の朝などは壮大な雲海が広がるとのことでした。
ちょっと残念( ;∀;)

〈どこか懐かしさを感じる村周辺の山林の風景〉

〈どこか懐かしさを感じる村周辺の山林の風景〉

私たちが宿泊したホワイキン村には電気が来ていましたが、隣の村から先にはまだ電力インフラが来ていません。日本ではテレビを見たり音楽を聴いたりと当たり前のことが、こちらでは非日常的なのだなとカルチャーショックを受けます。水は隣の標高1500mほどの山から引いてきており、乾季の終わりである5月頃には水が枯れることもあるそうです。当然ガスもないため薪が重要なライフラインとなっており、村に観光で訪れた際は(あまり観光では行かないかもしれませんが)、トイレと風呂で難渋するかもしれません。

村にはモン族とカム族という2つの種族が暮らしています。仏教国であるラオスの人々はとても穏やかです。私がお会いした村人も怒る姿を想像することができないほどいい人ばかりでしたが、水が枯れた時などは上流側と下流側に分かれて暮らすモン族とカム族の間でちょっとした紛争になることもあるとか。

〈日中は屋外で遊ぶ子供が多い〉

〈日中は屋外で遊ぶ子供が多い〉

村人の伝統的な生計手段である焼き畑農業(slash and burn)では、焼かれた森が炭となり植物の生育に必要な栄養素を豊富に含む土壌が作られます。一度焼かれた森が復元するには数十年の歳月を要するわけですが、焼き畑農業では5年程度のサイクルで焼失-復元を繰り返すため、土地はどんどん痩せていきます。

〈山林を焼いた跡地では陸稲が育てられる〉

〈山林を焼いた跡地では陸稲が育てられる〉

当プロジェクトでは、焼き畑農業に代わる生計手段を農民に技術移転する取り組みを行っています。やぎ、牛、豚などの畜産業、野菜栽培、イチゴやブルーベリーなどの果物栽培などに加え、焼き畑後の山林をなるべく早く復旧するため生育が早く空気中の窒素を固定する能力の高いマメ科の植物を再生林に植えるなどの森林管理も行ってきました。

〈村民は焼き畑を減らして他の生計手段に移ることができるか?〉

〈村民は焼き畑を減らして他の生計手段に移ることができるか?〉

プロジェクトでは対象とするサイトと、対象外の近隣のサイトで森林減少の比較をしていますが、住民がさまざまな代替生計手段をとった結果、森林減少率を抑制することに成功し、年間数万トンのCO2削減が実現できています。重要なことは、村民が主体となって新しい暮らしの糧をつくることですが、そのためには焼き畑農業よりも多くの収入をもたらすビジネススキームをさまざまな関係者と連携しながら現地につくっていくことです。

今後はJCMの正式発効に向けて、民間企業のプロジェクト参加を強化する予定です。当社では民間企業との研究コンソーシアム形成や現地サイトでのビジネススキームの形成を、実際にビジネス展開する企業の方々と一緒に構築していきます。もちろん当社もそのビジネススキームに参加して、新たな事業としての展開を構想しています。実はそのためのネタを既に仕込み始めていますが、それはまだナイショです(笑)

興味のある方は是非アポイント頂ければと思います

研究推進

お問い合わせ CONTACT

商品についてや弊社についてなど、こちらよりお気軽にお問い合わせいただけます。

お問い合わせ

お見積り、サービス内容のご説明:0120-940-490