「産」と「学」を繋ぐ
こんにちは、大学業務支援部 学術コミュニケーション支援チームです。
私たちは業務の一環で、企業の新規事業開発に関わるニーズと、大学の研究シーズとをマッチングさせる活動を行っています。いわゆる産学連携の活動で、産学連携の「産」は民間企業、「学」は大学などの研究機関の意味です。大学は研究の成果を沢山持っていますが、それを社会還元する方法は悩みの種です。一方で企業は良いアイデアがあってもそのために必要なエビデンスを得る手段が少ないものです。
例えば、ある化粧品メーカーは特別な状況下で映える商品を作り出しました。しかしその特別な状況下にタイミングよく遭遇することは難しく、市場に売り出すために必要な治験数に不足がありました。メーカーから大学に相談に相談があったため、私たちは、大学の立場として、その特別な状況を作ることができるのか、いくつかの研究室に相談してみました。すると、ひとつの研究室が手を挙げました。
その特別な状況を再現する研究はコストも時間もかかり、研究成果を治験に利用するのも大がかりになってしまう。けれど、その状況下で人体に起きる反応を、人工的に安全に再現する研究ならうちの研究室でお引き受けできると思う。
これは、メーカーが求めていた最高の回答でした。いくつかの研究室に同時に話を進めることによって、依頼の本質に応える研究室を見つけることができたのです。研究室側から見ても、この研究を社会還元できる可能性はあまり高くないと思っていたテーマでした。そのような現象を求めている企業があり、企業を通して社会実装できることをとても喜びました。
このように、企業側が本当に欲しい最終目標のために、最適な研究室を紹介することが私たちチームのミッションです。企業と研究室が大筋で合意したあとも、実際の契約締結までには契約内容の精査や研究費の支払など事務的な作業がたくさんあり、そこからの長い細かな仕事も私たちがサポートいたします。
産学連携の、「産」は民間企業、「学」は大学研究室、そして「連携」が私たち学術コミュニケーション支援チームです。こんなことも…?と思うようなご相談にもお応えいたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
ちなみにこのお話の、人体に起きるある現象、とは鳥肌のことです。鳥肌、つまり、でこぼこした肌でもきれいにすべすべに見えるコスメが、世に出まわる日を筆者も強く強く期待しています。

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