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大学との“共創”による英語科目開発:「Listening and Reading」開発秘話

2026/02/20

 

WAS語学教育部は、早稲田大学グローバル・エデュケーション・センター(GEC)からの委託を受け、英語科目「Listening and Reading」を共同開発しました。本科目は2023年度より開始し、早稲田大学の国際教養学部とスポーツ科学部で必修科目として採用されているほか、全学オープン科目としてすべての学部・学年に開放されています。 本記事では、大学の担当教員監修のもと、WASの教材開発スタッフがどのように科目を「共創」していったか、提案から実施までの3年間の道のりをご紹介します。

 

開発背景:大学で求められる英語力とは

大学での学びの場面では、単に情報を読んだり聴いたりして理解するだけでなく、情報を「取捨選択」すること、またそれを「理解・解釈」し、最終的に「話す」「書く」というアウトプットに利活用できる力が求められます。

▼早稲田大学グローバル・エデュケーション・センター准教授 近藤悠介先生のコメント
「大学の授業では、英語でレポートを書いたり、ディスカッションをしたり、発表をする機会が多くあります。そのようなときに、自分が英語で読んだり、聴いたりしたものをどう利用すれば良いでしょうか。Listening and Readingは、英語で読んだもの、聴いたものを利活用できるようになるための科目です。3つのレベルで科目が提供されていて、日常的な『読む』『聴く』から始める初級レベルから始まり、レベルが上がるにつれ、学術的な場面での『読む』『聴く』にシフトしていきます。」

この教育的なニーズに応えるため、「Listening and Reading」科目はアカデミックな「読む」「聴く」スキルと、批判的思考力を育てることに焦点を当てて開発されました。

また本科目は、GECの既存科目である「話す」を中心とした「Tutorial English」と「書く」を中心とした「Academic Writing and Discussion in English」に続く、3本目の柱として位置づけられました。

開講までの道のり

2023年度の開講までの3年間で、WAS社員とGECの担当教員、大学の関連部署が打ち合わせを重ね、綿密な準備を進めました。

  • カリキュラム決定:学生の英語力や教育目標を踏まえ、レベル数、難易度、扱うトピック・スキルを協議し、シラバス案を担当教員にご承認いただきました。
  • 正規科目としての設計:授業内外の学修時間、成績評価の基準(課題の回数・割合や授業参加度)など、科目として適切な運用ができるよう詳細を決定しました。
  • 運用面での準備:履修のルール作成、必修履修者数のシミュレーション、クラス数の決定、特別な配慮への対応策検討などの準備を行いました。

また教材の質を担保するため、開発初期に2回のトライアルレッスンを実施しました。初回は当社社員を対象に、2回目は早稲田大学の学生の協力のもと実施し、開発途中の教材や課題がうまく機能するか、レベル設定に無理がないかなどを確認しました。トライアルレッスン後には参加者からのアンケートやインタビューを実施し、この貴重なフィードバックを残りの教材開発に生かしました。

WASの教材開発:「共創」と「フルパッケージ開発」

WASの役割は、単に「教材を納品する」ことだけではありません。担当教員監修のもと、カリキュラムの検討・設計から深く関わります。
そして、教材や成績評価方法を含め、授業運営全般を包括的に考慮する「フルパッケージ開発」ができることが、WASの強みです。

教材に込められた意図
  • 段階的学習:3つのレベル(Beginner、Intermediate、Advanced)が有機的に統合するようシラバスを設計。ユニットが進むにつれて難易度が段階的に上がるよう工夫しました。
  • トピック選定:全学オープン科目であることを考慮し、複数の視点からディスカッションがしやすい社会科学系の分野を中心としつつも、幅広い学生の関心を引くトピックを選定しました。

フルパッケージ開発

  • テキスト:各レベルの難易度に応じたスキルとトピックを採用。1クォーターあたり14回のレッスンに必要なテキスト教材を作成しました(3レベル、各2冊)。
  • 音声教材:Beginnerレベルではわかりやすく明瞭な発話を使用。一方Intermediate/Advancedレベルではナチュラルスピードに近い多様なアクセントの音源を使い、より高度なリスニング練習を可能にしました。
  • 授業内外の課題:レッスン前の事前課題、学習の定着度を測る小テスト、総合評価のための期末試験(Beginnerのみ)を開発。またアウトプットの力を伸ばすためのライティング課題(Intermediate/Advanced)を作成しました。
  • 評価基準:課題・テスト・授業参加度を組み合わせた多角的な評価システムを提案。複数クラスを公平に評価するため、ルーブリックも作成しました。
  • LMSの設定:早稲田大学でLMSとして使用されているWaseda Moodleを使用。すべての小テストや事後課題等をコースページに実装し、検証・ダブルチェックを含めた設定作業を行いました。

「Listening and Reading」科目の特長

英語の「読む」「聴く」スキルに焦点を当てた、1クラス約20名の比較的少人数の科目です。
さまざまなトピックについて複数の文章を読んだり聞いたりすることで、複数のソースから情報をまとめ、多角的な視点から物事を捉える力を養います。

履修者が自身の英語力に合わせて学べるよう、全3レベルが用意されています。
・Beginner: Essentials for Beginners:日常的な表現を身につけ、身近な事柄を理解できるようになる。
・Intermediate: Academic Skills for Intermediate Learners:さまざまな話題の主張を理解し、その構造を分析できるようになるための基本的なアカデミックスキルを身につける。
・Advanced: Critical Thinking for Advanced Learners:学術的な文章、発話を理解し、議論で自分の意見を明確に述べたり、論理構成の整った文章を書いたりできるようになる。

これまでの成果:高い学生満足度

2023年度以降、当社は本科目の運営も行っています。
初年度に実施した授業評価アンケートでは、科目の全般的な満足度について、3レベル全てで90%以上の学生から肯定的な回答を得られました。
特にAdvancedレベルでは98%を超える高い評価を獲得しました。この満足度の高さは2024年度も継続しています。

「全般的にこの授業に満足していますか」の問いに「そう思う」「ややそう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した学生の割合
レベル 2023年度 2024年度
Beginner 91.1% 91.1%
Intermediate 90.9% 90.8%
Advanced 98.2% 97.5%

本科目を履修した学生からも、自分の英語力やコミュニケーションにおける変化を感じた、授業で学んだことが他の場面でも役に立った、というポジティブな声が聞かれました。

▼「履修者の声」一部抜粋(全文はこちら
「部活動で海外選手と練習する際に、英語でスムーズにコミュニケーションをとることができ、自分の変化を感じた」(Beginner)
「トピックが文系から理系まで幅広く網羅されており、学生に考えさせる良いテーマが多かった。批判的な視点から考えるのが面白いと感じた」(Intermediate)
「文章の内容をスキミングで把握する、長めの講義を集中して聞くなどの経験が、TOEFL試験の対策としても役立った」(Intermediate)
「授業を通してナチュラルスピードの英語のリスニングに慣れたことで、夏休み中に参加したカナダ短期留学にも役立った」(Advanced)

早稲田大学での「Listening and Reading」科目の完成は、大学と当社の「共創」、そして当社の「教材・評価システムを一貫して開発」する能力の成果だと考えています。

他大学・教育機関の皆様へ

WAS語学教育部では、貴学独自のカリキュラム設計、教材開発をトータルでサポートいたします。
お問い合わせは語学教育部までお気軽にご連絡ください。

 

大学生・大学院生向け英語教育サイト:https://www.w-as.jp/program/lp/college/


 

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